更新日:2016. 12. 12.
酸化チタン光触媒の酸化力
酸化チタン光触媒の特長は、光による強い酸化力と超親水性です。先に書いた光触媒の機能のうち、汚れの分解、消臭・脱臭、抗菌・殺菌、有害物質の除去、はおもに光酸化力により、ガラス・鏡の曇り防止や防汚は、光による超親水性現象によるものです。まず、光による酸化反応がどうして起こるのか見てみましょう。
図6 酸化チタン光触媒の二大機能 酸化力とは、酸・サ反応における反応性のことです。酸化力が強いとは、①酸化されにくい物質をよりはやく酸化できる、あるいは②同じ物質を酸化するとき、より低温で酸化できる、ことをいいます。酸素による酸化反応は、酸素が光触媒によって活性化され、反応性の高い活性酸素になることによって起こります。酸化力の強さは、この活性酸素の種類によって決まります。
酸化されにくい物質は、種類によって違いますが、一般に金属などの無機物であり、酸化されやすいのは有機物です。炭素と水素からできている有機物を完全に酸化すると、二酸化炭素(CO2)と水になります。有機物を酸素不足の状態で酸化すると、いわゆる不完全燃焼が起こって、有害な一酸化炭素(CO)ができます。これは、有機物よりも一酸化炭素の方が酸化されにくいためです。有機物の完全酸化ができるためには、一酸化炭素を酸化できなければなりません。
活性酸素は、病気の原因だとか、老化の原因だとか言われて嫌われていますが、それは体内にできたときの話です。私たちが都市ガスに火をつけるとき、電気火花を飛ばします。これは活性酸素をつくっているのです。いちどガスに火がつくと、炎の中では次々と活性酸素ができて燃焼反応が持続します(連鎖反応という)。木炭の火でも、マッチの火でも、タバコの火でも、火の中では必ず活性酸素ができています。燃焼反応は活性酸素がなければ起こりませんから、活性酸素がなければ、煮炊きもできないし、暖房もできないし、自動車も走りません。
燃焼反応では、活性酸素は高温でしかできません。しかし、酸化チタンは光によって活性酸素を室温でつくることができます。低温でも酸化できる(活性酸素をつくる)能力があるので、酸化力が強いと言われるのです。
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